パール兄弟
1983年結成。1986年『未来はパール』(ポリドール)でメジャーデビュー。プロの作詞家でもあるボーカル・サエキけんぞうのウィットに富んだ歌詞、ニューウェイヴ、テクノポップなどさまざまなポップ要素をミックスしたセンスあるサウンド世界の融合がクセになるヴィンテージロックバンド。メンバーはさまざまな有名アーティストのサポートをつとめており、高い演奏力にも定評がある。
長男・サエキけんぞう(Vo)
1958年7月28日、千葉県出身。元祖「歯科医」のロックとして、1980年ニューウェイヴバンド・ハルメンズでビクターよりデビュー、86年、パール兄弟で再デビュー。作詞家として沢田研二、小泉今日子、モーニング娘。ほか、さまざまなアーティストに楽曲提供。近年は「マクロスΔ」ほかアニメ作品にも積極的に関わる。その他、音楽プロデューサー、音楽評論家としても活躍。著作多数。毎週土曜日朝6時過ぎにNHKラジオ「サエキけんぞうの素晴らしき20世紀ポップ」放送中。
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次男・窪田晴男(Gt)
1959年9月18日、東京都出身。ギタリスト、作曲家、音楽プロデューサー。高校卒業後、近田春夫&ビブラトーンズのメンバー、松任谷由実のツアーメンバーに抜擢される。デビューのきっかけとなったバンド「人種熱」の楽屋に出向いたサエキけんぞうに誘われ、83年にパール兄弟を結成。パール兄弟の多くの曲の作編曲を手がける。坂本龍一のレコーディング、『NEO GEO』ツアーに参加したほか、矢野顕子、EPO、吉川晃司など、さまざまな有名アーティストのサポートをつとめる。作編曲家の山屋清氏を叔父に持つ。
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三男・バカボン鈴木(Ba)
1956年9月28日、東京都出身。ベーシスト。20歳でベースを始め、メトロファルスを経てパール兄弟のメンバーに。ロックベースだけでなく、ジャズセッションも得意とし、渡辺香津美Resonance Box、Voice Project、PONTA BOX、南佳孝バンド、仙波清彦&カルガモーズ(ゲスト参加)など、多くのバンドやプロジェクトに参加し。確かなテクニックとグルーヴ感あふれる奏法が魅力の日本屈指のベーシストのひとり。15歳に高野山で得度し僧名「大賢」を名乗る、異色の経歴の持ち主でもある。
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四男・松永俊弥(Dr)
1958年6月22日、静岡県出身。ドラマー。成城大学軽音楽部出身で、81年石川ひとみのバンド「スペーシージョー」、山本達彦のバンドの参加を機にプロ活動。85年11月「パール兄弟」に加入。レコーディング、ライブのドラマーとして渡辺美里、槇原敬之などさまざまなアーティストのサポートを務める。特に水樹奈々のバックバンド「cherry boys」には2002年以来レギュラー参加、東京ドーム公演も務めた。その幅広い音楽性とテクニックには定評がある。とぼけた飄々としたキャラクターも人気。
HISTORY
- 1982年
- 3月 窪田晴男ボーカルの人種熱(キーボード近田春夫)ライブ@エッグマンをサエキが客として鑑賞。ボーカル(ギター持たず)の窪田晴男を見て、自分に似ていると思い、楽屋で2ショットの記念写真を撮る。このライブにおける窪田のMC発言が元で、窪田晴男は近田春夫とビブラトーンズを脱退。その後、窪田はサエキのハルメンズの82年8月(クロコダイル)、12月(鹿鳴館)のライブを鑑賞に来て、交流が深まる。12月でハルメンズ解散。
- 1983年
- 7月 サエキけんぞう(Vo)と窪田晴男(Gt)でパール兄弟を結成。初期メンバーは中原信雄(Ba) 濱田康史(Dr)。
8~9月 新宿ロフト、戸川純のフロントアクトで演奏時間10分の初ライブ、その後、7~8月に7回7箇所で10分~30分のライブを各所開催。
11月 武蔵野美術大学の学園祭パール兄弟出演。トラでバカボン鈴木加入。 - 1984年
- 1月のクロコダイル・ライブに中原信雄が「温泉旅行に行く」と言い残し来なかったため、そのままバカボン鈴木(Ba)加入。
6月 ベスト盤『ハルメンズ・デラックス』(ビクター)発売。1曲目「昆虫群」のリミックスを窪田晴男が担当(ノンクレジット) - 1984~85年
- サエキが徳島大学就学中のため「盆暮れ」のライブを、年4回ほど原宿クロコダイルを中心に行う。
- 1986年
- 松永俊弥(Dr)加入。
6月25日、ムーンライダーズの岡田徹のプロデュースにより、アルバム 『未来はパール』 (ポリドール)でメジャーデビュー。7月に発売記念ライブ。
8月1日よみうりホールでデビューライブを、ゲスト白井良明&柴山和彦(ステレオ兄弟)で開催。ダンス・グループ“リーマンズ”結成(リーダー:ラッキィ池田)。
9月 初のライブ・ツアー。大阪ババナホール、名古屋 創芸ホール(リーマンズ)
11月25日 12インチ・シングル「鉄カブトの女」発売。
12月 東京・杉野講堂にてコンサート(矢野顕子と共演)。 - 1987年
- 2月15、16日 新宿区・渋谷区ウルトラ横断ライブ決行。2日間5ヵ所。CXTV「ライブジャック」の収録も敢行。
3月25日 2nd『パールトロン』、7インチ「ケンタッキーの白い女」同時発売。
5月9日 日本青年館ホールにてコンサート。
7月31日 FUJI AV LIVE出演(芝浦インクスティック)、ヴィジュアル担当は手塚真。
9月25日 12インチ第2弾「ヨーコ分解」発売。
11月25日 クリスマス曲2曲と、12インチ曲を含んだCD『パール&スノウ』発売。 - 1988年
- 2月25日 3rd『ブルー・キングダム』 発売
2月~3月 “リヴォルーション・ツアー’88”。東京:渋谷公会堂、大阪、名古屋、仙台、博多、札幌。
3月21日 パール兄弟プロデュースによるリーマンズのシングル「リーマン革命」発売。
4月5日 小泉今日子のアルバム『ビート・ポップス』の中の「ビッチ」にパール兄弟として参加。(作詞:サエキけんぞう、作編曲:窪田晴男)。
4月25日 手塚眞監督による1st ビデオ『パール兄弟 AT HOME』発売(ラッキィ池田、マイケル富岡、香瑠鼓らが共演)。
6月3日 コンサート・イベント“真夏の夜のジャズ・パール”(新宿伊勢丹シンデレラシティ)。パール兄弟のレパートリー及び「ムーンライト・セレナーデ」「チュニジアの夜」等の名曲をビッグ・バンドとの共演により、ジャズ・アンサンブルで披露。ピアノにオルケスタ・デ・ラ・ルスでブレイク直前の塩谷哲、ビッグバンド・バンマス格に松本治(trombone)。
10月 マネージメント・オフィス「パール兄弟社」設立。
10月22日 窪田晴男プライベート・スタジオで4thアルバムのレコーディングがスタート。
12月3日 栃木県宇都宮市の大谷石採掘場でレコーディング。同時にビデオのシューティングも実施(後に近くの採石場で大規模な落盤があり、立ち入り禁止となる)。 - 1989年
- 1月21日 “新春パール兄弟Presents お年玉つき”を渋谷シードホールにて開催。メンバーそれぞれがクリエイティビティーの閃きを感じさせるニューアーティスト&クリエイターを紹介する日替わりライブ・イベント。出演はVIBRASTONE、戸川純他。
3月16日 ビデオCD(3曲入りビデオ+CDシングル)「タンポポの微笑み」発売。
4月7日 4thアルバム『TOYVOX』を発売。
4~5月 全国14ヶ所の“TOYVOXツアー”。メンバーのみの4人編成と、サポート・メンバーを加えた7人編成、2種類のメニューで行われた。
9月6日 4曲入りピクチャーCD「色以下」発売。杉浦茂画伯によるジャケット及びレーベルのイラストが話題を呼ぶ。
10月1日 “TOYVOXツアー”を収録した初のライブ・ビデオ『LIVE-VOX』発売(監督:手塚真)。
12月1日 新曲「DISCO DAWN」他、3曲ニュー・ミックスを収録した初のベスト・アルバム『ベスト・レシピ』発売。同時に3rdビデオ『色以下』(監督:手塚真)発売。 - 1990年
- 2月 5thアルバム『六本木島』のレコーディング開始。オルケスタ・デ・ラ・ルスのカルロス菅野(パーカッション)参加。
4月 5th アルバムのミックス・ダウン、マスタリングのため、アメリカは東海岸ボストン(ミックスダウン)、パサディナ(マスタリング)に飛ぶ。
5月25日 アルバムに先駆けて、シングル「PANPAKAクルージング」発売。
6月25日 5th『六本木島』発売。
8月 中野サンプラザのライブをもって窪田晴男が(一旦)勘当
11月10日 ポリドールが企画したクリスマスをテーマにしたオムニバスアルバム 『White Album’90』に参加。1曲目「FIGHT THE CHRISTMAS」は、矢代恒彦(key)、林部直樹(Gt)を加えた五人編成時に唯一録音した楽曲となる。この後、林部直樹は米米CLUBに加入、バカボン鈴木離脱。 - 1991年
- 6月25日『ブートレグだよ』(90年8月中野サンプラザのライブリミックスアルバム)発売。
- 1992年
- 1月25日 ベスト盤『完璧なベスト』(以上、ここまですべてポリドール)発売。パール兄弟のバックダンサーズ、ラッキィ池田率いるリーマンズのシングル「リーマン革命」収録。
2月25日 サエキ、松永、矢代の3人編成のパール兄弟に7人のプロデューサーを迎えて、1stアルバム『大ピース』(ワーナー)発売。
4月 イルカを冒頭のゲストに迎え、渋谷公会堂“イルカショー”。サポート:山田直毅(Gt)、神保伸太郎(Ba)。
7月 『LOUD,BOOOST&SWIM』(ワーナー)発売。ゾンビーズのカバー「シーズ・ノット・ゼアー」にリミックス曲(エイブラハム・ラボリエル:Ba)を加えたミニアルバム。 - 1993年
- 5月 3人パール兄弟2nd『公園へ行こう』(ワーナー)発売。佐久間正英プロデュース、山田直毅(Gt)、神保伸太郎(Ba)、鈴木智文(Gt)参加。
- 1994年
- 12月 『貝殻のドライヴ』(アルファ)発売。窪田晴男がゲスト・ギタリストで参加(実質的な勘当解除)。他に、中高時代の盟友、鈴木智文が楽曲制作に参加。サエキのソロとしてのアルバム制作開始するも、最終的にパール兄弟(ソロユニット)という名義になった。
- 1995年
- 初頭、NHK BS『東京百景』発刊記念ライブ 松永俊弥、矢代恒彦、鈴木智文、他。
別名フリップフロップラバーズで南青山マンダラ出演 バカボン鈴木(Ba)、リッキー(Dr)。 - 1997年
- 3月 サエキけんぞう司会のNHK『ソリトン』にてゴールデンパール兄弟(サエキけんぞう:Vo、窪田晴男:Gt、バカボン鈴木:Ba)でライブ。サポート:小田原豊(Dr) ゲスト:近田春夫、戸川純、野宮真貴。
- 2000年
- 11月 矢野顕子のアルバム『Home Girl Journey』に『パールトロン』中の「世界はゴー・ネクスト」が収録される。
- 2001年
- 4~5月 週刊アスキー提携のインターネットラジオ局「ラジ@」内で『ネット兄弟M』という番組にサエキ&窪田出演。楽曲「宇宙旅行」を番組内で制作、音源要素ファイルをネット上に置き、視聴者に自由にリミックスしてもらうという企画番組。20名近くのリミックス作品が応募される。
- 2002年
- 11月 大瀧詠一トリビュート・アルバム『ナイアガラで恋をして』にパール兄弟として参加、12分以上もの「Niagara Ondo Medley」を上梓。
- 2003年
- ゲストにバカボン鈴木を迎え、窪田晴男とサエキの2人でパール兄弟を再開。3月、『宇宙旅行』(イーライセンス) 発売。
12月 ハービー山口撮影による、ベスト選曲的なスタジオライブヴィデオ『真珠とモノクロ』(ハピネット・ピクチャーズ)発売 ベースに立花泰彦(ex.宮間利之とニューハード、梅津和時グループ、他)、ドラムに芳垣安洋(ROVO、デートコース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデン他)参加。 - 2004年
- 9月 『GOLDEN☆BEST パール兄弟』(ポリドール)発売
- 2006年
- バカボン鈴木復帰。アニメ「N・H・Kにようこそ!」の音楽を担当。8月23日オリジナル・サウンドトラック『ダークサイドにようこそ! 』(ビクター)発売。アニメ『N・H・Kにようこそ!』の音楽を担当。宮川剛(Dr)松本圭司(Key)他がゲスト演奏。
- 10月11日 20周年記念ライブ@新宿ロフト。宮川剛(Dr)松本圭司(Key)客席には矢野顕子の姿も。
11月22日 『N・H・Kにようこそ!』サウンドコレクション 『サニーサイドにようこそ!』(ビクター)発売。『ダークサイドにようこそ! 』に収録されなかった曲を収録。 - 2007年
- 3月 “パールと不揃いな果実たち”ツアー(東京、名古屋、大阪)。宮川剛(Dr)松本圭司(Key)
- 2008年
- 2月27日 パール兄弟紙ジャケシリーズ一挙発売、『鉄、色、雪のパール兄弟+(秘)』『完璧なベスト』を含むオリジナル5枚と合わせ7枚。大量のボーナス・トラック含む。ディスクユニオンでは、豪華化粧箱とボーナスCD-Rを含み、少年ホームランズ紙ジャケも入れた8枚組で発売。
- 2013年
- 7月 結成30周年を記念し、松永俊弥(Dr)復帰。矢代恒彦(Key)を正式メンバーに加え、五人兄弟として高円寺ショーボートでのライブから再始動。
- 2014年
- 1月12日、8月17日、高円寺ショーボート・ライブ。
- 2015年
- 10月25日 高円寺ショーボート・ライブ。
- 2016年
- NHKEテレ『Let’s天才てれびくん』エンディングテーマ曲「たりないドアー」を制作。
6月28日 渋谷クラブクアトロにて、30周年記念ライブ“30ス(th)だよ、パール兄弟”開催。ゲストCHAKA。クラウドファンディングで2枚組ライブアルバムを制作。 - 2017年
- 6月1日 「晴れたら空に豆まいて」にて、手塚眞監督『星くず兄弟の伝説』応援のためのライブイベントを敢行。一部レア映像&メンバーと手塚眞との対論、二部ライブ(ゲスト:久保田慎吾、高木完)。
- 2018年
- 3月7日 渋谷クラブクアトロ“金銀パール2018” ゲスト:近田春夫、岡田陽介、東京タワーズ。
4月 矢代恒彦(key)を正式メンバーに迎えた新生パール兄弟として28年ぶりのオリジナルミニアルバム『馬のように』(パールネット)発売。 - 2019年
- 5月12日 下北沢ガーデンで行われた北島健二、松永俊弥の還暦ライブに 織田哲郎、水樹奈々(シークレット)と共にサエキけんぞう出演。
5月16日 “君と河をのぼろう パール兄弟2019”『未来はパール』のプロデューサーである岡田徹(ムーンライダーズ)と初共演。他に鈴木慶一もゲストで登場。
6月 新生パール兄弟として二枚目のミニアルバム『歩きラブ』(パールネット)発売。
8月 神楽坂GLEEにて、二人パール兄弟(サエキけんぞう+窪田晴男)でライブレコーディング(クラウドファンディング)。
10月~12月に7箇所ツアー。
12月 二人パール兄弟 1stアルバム『DELAY』(パールネット)発売。 - 2020年
- 2月6日 汐留BLUE MOODにてパール兄弟スペシャルライブ“大人のスパーク 座・パール II”開催。矢代恒彦参加の最後のライブとなる。
矢野顕子をゲストに迎えた渋谷クラブクアトロライブを企画するが、コロナにより断念。
9月27日 渋谷クラブクアトロ”行こうぜ、やっぱり!パール兄弟2020”を開催。病気療養中の矢代恒彦に代わって、米内山尚人(Gt、マニピュレーター)が「甥っ子」としてサポートにはいる。
10月 矢代恒彦との最後の録音となった3枚目のミニアルバム『パール玉』(パールネット)発売。 - 2022年
- 9月27日 五男・矢代恒彦永眠(享年62歳)。
- 2023年
- 9月30日 原宿クロコダイルにて矢代恒彦追悼ライブ“ありがとう、ヤッシー”開催。
- 2024年
- 1月 「40周年の2026年に渋谷公会堂でのライブ開催」を実現すべく、「ROAD to KINGDOM〜目指せ、渋公!3カ年プロジェクト〜」スタート。
2月 YouTubeにて生配信番組『パールなまTV』をスタート。月一回、サエキがホストとなり、窪田、バカボン、松永が交代で出演。
8月10日 ジェミニ・シアターにて二人パール兄弟主催の“エレクトリック・ラブ・ストーリー”開催。共演ジューシィ・フルーツ。ゲスト近田春夫、恒田義見。
9月25日 渋谷 LOFT HEAVEN にて二人パール兄弟ライブ“パルヲ&バカボン W生誕祭”開催。ゲスト バカボン鈴木。
11月 27日 渋谷クラブクアトロ“君の心にRUN-NEW!パール兄弟2024”開催。ゲストいまみちともたか、鈴木桃子+小田玲子(COSA NOSTRA) - 2025年
- 1月12日 新宿カフェロフト “パールなまTVオフ会・新年会2025”開催。